岩内佐織さんインタビュー
マンドリン曲で長年に渡り人気が高いパストラル・ファンタジーをエレクトーンで壮大にアレンジし、マンドリン界からの反響も大きい岩内佐織さんにインタビューいたしました。
プロフィール
４歳で音楽と出会い、6歳から作曲を始める。11歳でユニセフの招きによりアメリカ国連総会議場にて自作曲をオーケストラと共演。1989年 インターナショナル エレクトーン フェスティバルにて、グランプリ受賞を機にプロデビューし、エレクトーンによる自作自演スタイルでの作品発表を主軸に、日本全国および海外での公演は約2000回を超える。オリジナル楽曲作品はメロディーにストーリー性をもつスケール感のあるオーケストラサウンドに定評があり、CDや楽譜集(17冊)はいずれもロングランで好評。2016年と2018年、エレクトーン界初の「出雲大社奉納公演」を行い反響をよんだ。また天皇皇后両陛下ご臨席での全国植樹祭、全国育樹祭や日本赤十字社主催フローレンス・ナイチンゲール記章授与式をはじめ、内閣府主催や企業主催式典音楽への楽曲提供と演奏を多数手がけている。2019年からは講演会も開催し活動の幅を広げている。
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Contents
エレクトーンを始められたきっかけはありますか？幼少期より音楽が好きでしたか？
4歳の時、習い事として近所の絵画教室と音楽教室に通い始めました。幼き頃、エレクトーンはたくさんの音色が奏でられることや、足鍵盤を使うことに魅力を感じて、初めて出会った時から好きでした。当時の先生がとても熱心で丁寧に教えて下さったこと、そして父が素人ながら音楽好きだったことが大きく影響したと思います。
影響を受けたアーティストや作曲家の方はいらっしゃいますか？
小学生の頃、自作曲をオーケストラで共演していただく機会が幾度かあり、その度に指揮者の方から色紙等にお言葉をいただきました。中でも世界的チェリスト / 指揮者の故ロストロポーヴィチ氏や、作曲家 / 指揮者の故石丸寛氏からの「いつも心に音楽を」という言葉と出会いは、子供心に音楽を志す上で影響をうけました。
作曲をされる際に大事にされていることは何ですか？また、エレクトーン奏者として演奏される際に心がけていることがあれば教えてください。
作曲については、題材に対する強い想いをあたためて、高めていくプロセスを大事にしています。曲全体の骨組みを構築する土台作りに一番時間をかけ、アイデア素材をどう料理するか組み立てて考えていくことに醍醐味を感じます。頭の中でオーケストラで鳴っている曲を、エレクトーンソロにアレンジ変換し、自作自演するということは、ある時は作曲者であり、ある時は指揮者でもあり、曲の全責任が自分にありますので、各パートのバランスなども含めて、聴衆にその曲の想いが伝わるよう細密な神経を使いながら演奏するように心がけています。
岩内さんはエレクトーンの可能性を大きく広げた活動が素晴らしいと思います。「未来のトビラ」ではボーカルと合わせることでミュージカルのような壮大な楽曲が聴く人の心に響くメッセージを感じます。この曲に込めた思いを教えてください。
人生において、誰しも辛いことや困難に遭遇することがありますが、そんな時にそっと力づけたり、勇気を与えられるような応援歌を作りたいと思って、原曲はエレクトーンソロ曲として作曲しました。作曲当初から男女ボーカル版を作りたいなと思っていたところ実現し、YouTubeで公開しました。歌詞をつけることで、よりメッセージ性がダイレクトになったと思います。聴いてくださる方や、演奏してくださる方に寄り添えるような曲になると嬉しいです。
藤掛廣幸の音楽を知るきっかけを教えてください。また、好きな曲があれば教えてください。
藤掛先生は多くの楽曲をCDやスコアで出しておられ、ご活動は以前から拝見させていただいておりました。中でも「パストラル・ファンタジー」は偶然TV番組で流れたそのメロディーがあまりに美しく記憶していました。マンドリンオーケストラの原曲をオーケストラ編成をイメージしてエレクトーンソロで演奏したいと思って編曲させていただき、エレクトーン版として出版し、ご紹介できたことは大変嬉しく、藤掛先生とのご縁のきっかけとなった曲「パストラル・ファンタジー」が好きです。
作曲家・エレクトーン奏者として目指すところや今後の目標を教えてください。
できるだけたくさんの曲を作り、発表していく活動は今後も継続していくつもりです。今までは私の作る曲は自分が演奏して発表してきましたが、今後は私でない誰かが編成を自由にアレンジして演奏してくださるような、曲が勝手に一人歩きすることが望ましい形と思っています。岩内佐織オフィシャルサイト（https://www.saori-iwauchi.com)では、楽曲作品を生楽器編成スコアでご紹介していますので、ご覧いただき演奏してくださると嬉しいです。
